ISHIODORI TAKESHI ARCHITECTS

鮨処 瀬戸

「鮨屋」という言葉から連想される一般的な鮨屋のイメージを具現化することを求められていた。

檜一枚板のカウンターや藁すさ入り塗壁、秋田杉の天井無垢板、北山杉絞り丸太、銅板、豆砂利洗出しの床などの普遍的な和の素材に、大谷石や黒玄昌石を加え、多様な素材を丁寧に主張しすぎないよう納めていった。

ディテールは基本的な和の納まりとしながら所々で「和の要素」の引き算を行い、所謂「和風」「数寄屋風」とは違う、かといって奇を衒うわけでもない、一般的な和の解釈からは少しはずれた鮨屋を作れないかと考えた。

カウンターに立つ柔和な大将と鮨を頬張る客人のほころんだ顔が凛とした空気感の緩和剤となり、緊張と弛緩が同居するような鮨の空間が完成した。

  • 所在地:宮崎県宮崎市
  • 構造規模:RC造5階建てビルの4階
  • 延床面積:89.35㎡(27.03坪)
  • 設計監理:石躍健志建築設計事務所
  • 施工:(株)弓削建設
  • 竣工:2021年7月
  • 撮影:studio marsh 沼口 紀男