都心から少し離れた住宅地に建つビルの1階を、美容室にリノベーションした。目の前には集合住宅が立ち並び、こちらを見下ろしている。
道路に面するカットスペースの窓は全開放の出来る木製の引戸とし、天気のいい日に開け放つと、鏡越しに眺める街並みや人々、木や花々からの季節の香りを感じ、まるで屋外にいるような気分にさせる。

階高の低かった天井を少しでも高くするためには構造体を見せる必要があったが、ブレースだけを見せ梁や配管は隠すことにより、整然とした天井とした。
内装は清潔感のある白を基調とし、照明や家具はアンティーク風のものを採用。アクセントカラーや特注照明と組み合わせて、クライアントがイメージしていた『パリの花屋』のような雰囲気を演出した。

黒く塗装された外壁と大きな格子窓が街並みのアクセントとなって、店舗の前を通る車や人が自然と目に止める街に開かれた美容室となった。